今回も足元の疾患についてツラツラと書いていきたいと思います。
今回はソエについてです。
ソエとは?
一口馬主をやっている方の中では「聞き覚えがある」と言う方も少なくないと思うこの“ソエ”という疾患。
正式な病名は「管骨骨膜炎」と言います。
前回の屈腱炎の解説のときにも説明した、「前管」にある骨の前面が炎症を起こしてしまうことがソエです。
では、ソエとはなんなのか、何故なるのかと言うのを説明していきたいと思います。
どうしてソエになってしまうの?
まずこのソエは調教初期段階の若馬(2歳くらい)に多くみられます。
まだ体が成長しきっていない馬がハードな調教や硬い馬場を走るなどして、過度の負荷が掛かり炎症を起こすと言われています。
超初期段階でしたらクッション性のある馬場や前肢に掛かる負担が少ない坂路での調教を行えますが、もちろん調教後にはしっかり冷やすなどのケアが必要です。
重症化すると幹部が腫れあがり、骨瘤(こつりゅう)となり痛みと跛行を起こします。
ソエの治療法
治療法としては冷却、消炎剤の投与、焼烙、ショックウェーブなどがあります。
焼烙とは…
通称ソエ焼き。
皮膚上を火傷させてその治癒力を活かし治す方法。
新馬戦などで前肢に円形上の跡がポツポツあったら焼烙です。
ただ焼烙に関しては明確に効果があるとは言えず、焼烙をした後に休ませることに効果があるのでは…との見解もあります。
以上がソエについてとなりますが、中盤辺りで出てきた「骨瘤(こつりゅう)」についても最後に少し触れさせていただきます。
骨瘤について
上記で出てきた骨瘤は一般的な「管骨瘤」と呼ばれるもので、字のごとく骨がコブ状に盛り上がってしまうこと。
程度はピンキリで、跛行を起こさずにケアしつつ乗ることが出来ることもあれば、できる箇所によっては神経や靭帯に触れてしまい長引いてしまったり、最悪の場合、骨瘤部分が亀裂骨折を起こしてしまったりしてしまいます。
もう一つ厄介な骨瘤、「深管骨瘤(しんかんこつりゅう)」をご紹介します。
こちらは通称「深管」と呼ばれており、管と前腕を結ぶ関節の下部の裏辺りにできます。
コレの厄介な点は熱感もなければ腫れもなかったり(まれに両方もしくは片方の症状がでることがある)、また触診でもわかりづらかったり…
跛行を起こして「もしや…」というケースも少なくありません。
「じゃあどう判断するんだ」という事ですが、跛行の記事でも紹介した「局所麻酔」を用いたり、患部に指で圧をかけたりが主です。
これもとにかく無理せず休ませることが良化の近道ではありますが、一度やってしまうと繰り返し起こしてしまうので、日常的に調教後しっかり冷却しケアすることが重要と言えます。
ザックリになってしまいましたが、以上が骨瘤についてです。
さいごに
バンテージを巻いていたらわかりませんが、競馬場に行きパドックを見たとき、脚元にソエ焼きの跡があったり、骨瘤があったりする場合もあるので是非覚えていたら注目してみてください!
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